「一人分の自炊なんて、大した節約にならない」
「調理や片づけの時間が無駄」
そんな情報を見聞きしたことはありませんか?
実は企業にとってお金を使ってくれるのは「一人飯」だったりします。
今回は「一人分の食事は節約になるのか?」というテーマでお話します
自分の判断で自由に使えるお金というのが、企業にとっては一番搾取しやすいです。
もしかしたらあなたも、そんな情報に誘導されて、搾取されているのかもしれません。
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【説明1】おひとり様は狙い目
自炊や外食と考えると、みなさん家族での食事が一番需要があり、ひとりだけなんてターゲットにしないって思うかもしれません。ですが企業からすると、おひとり様は実は狙い目だったりします。
世帯数では一番多い
自炊だけの話ではなく、世帯の割合でどれくらいひとりの人が多いのかを見てみます。
厚生労働省の国民生活基礎調査というので分かる数値を参考にしてみると、ひとりでの生活をしている単独世帯は2024年では全世帯の 34.6%で、他の夫婦のみ 24.7%、夫婦と子供24.1%、高齢者31.4%といった世帯と比べて、最も多い世帯が単独世帯ということが分かります。
ですので、必然的におひとり様は多いということです。
補足:引用
全国の世帯総数は 5482 万 5 千世帯。「単独世帯」が 1899 万 5 千世帯(全世帯の 34.6%)で最も多く、次いで「夫婦のみの世帯」が 1354 万 4 千世帯(同 24.7%)、「夫婦と未婚の子のみの世帯」が 1321 万 8 千世帯(同 24.1%)となっている。世帯類型をみると、「高齢者世帯」は 1720 万 7 千世帯(全世帯の 31.4%)となっている。
※出典:「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」(厚生労働省)
企業側からするとメリット多数
飲食店など経営する企業からすると、おひとりさまは様々なメリットがあります。
- 回転率が高い。食事を終えたらすぐ出る場合が多いので、次のお客をすぐ入れれる
- リピーターが多い。自分だけで判断できるので、気に入ったらリピートする場合が多い
- マナーがしっかりしている。大声で騒いだりすることもなく、周りに気を配って楽しむ人が多い
企業側からするとこのようなメリットが考えられます。
とくに金銭面からみても、自分ひとりで判断するので、他の世帯と比べて自由な選択をしてくれます。
おひとり様は狙い目
ですので、【説明1】おひとり様は狙い目としては、思ったより単独世帯は多く、企業から見ても十分な市場。
そしてひとりだからこそのメリットも多数ある。
だからこそ自炊ではなく、外食や宅配サービスを使ってもらえるように、企業としても宣伝をしてお客を取り込もうとしています。
【説明2】自炊は時間の無駄ではない
次に、自炊は時間の無駄なのかどうか、世の中によくある情報を整理してみます。
自炊の手間
多くのメディアが提示する「自炊にかかる手間は1時間」といった「手間の時間」は、料理好きが凝ったメニューを作る場合の時間であり、ライフスタイルによって変わります。
例えば、あなたが毎日ご飯を炊くとして、お米を研いでスイッチを押す時間はせいぜい5分。副菜(ふくさい)を「もやしとワカメの味噌汁」にするなら、調理時間はさらに5分。そしてその間にもう一品レンジに入れて温めておく。
こうすれば合計10分程度です。
もちろん最初は10分以上かかるでしょうが、慣れてくれば一人分の準備なんてこんなものです。
にもかかわらず、メディアは「一汁三菜」(いちじゅうさんさい)という日本の和食の基本、ご飯を入れた5品を基準にして「1時間」と伝え、あなたの心理的なハードルを無駄に上げてきます。
そして効果金額でも、「自炊500円、外食800円」といった一番効果が低い費用を比較したりします。
これだと、先ほどの1時間の話と合わせて聞くと、自炊は頑張っても「時給たったの300円」というイメージになります。
でも「自炊の工夫次第」で費用はもっと下がるという事実を隠しています。
外食の費用内訳
そもそも、外食や市販の惣菜には、食材費だけでなく、人件費、店舗維持費、企業の利益といったコストが上乗せされています。
例えば、外食一食で800円かかる場合、メニューにもよりますが、食材費である原価率は一般的に約20~30%程度と考えられます。
ですので食材費はわずか200円程度。残り600円が「人件費」や「利益」となります。
自炊はしっかり効果がある
こうして考えると効果金額である、差額は600円です。
さきほどの自炊の手間時間10分で600円と計算すると、「時給は3,600円」になります。
最近は外食で1,500円なんて場合も普通ですので、それと比べると差額は1,300円、時給は7,800円にもなります。
つまり自炊は「工夫次第」でしっかり効果はでるということ。
自炊は時間の無駄ではない
ですので、【説明2】自炊は時間の無駄ではないとしては、手間は「一汁三菜」とハードルを高く見れば1時間だけど、工夫すれば10分程度で可能。
飲食店で材料費用である原価率は20~30%程度。
だから効果金額は時給300円が最低ラインで、工夫すれば3,600円や7,800円にもなる。
こうしたことを知らずに「手間」と「費用」の数字に惑わされると、自分のライフスタイルに合っていない「贅沢な基準との比較」をしてしまいます。
【説明3】良いサービスは依存する
次にこの情報で誰が得をして、どんな問題があるのかを話していきます。
金銭的な得をするのは企業
まず得をするのは誰か。私たちに「自炊は面倒だ」と思わせることで、自らのサービスに誘導したい企業になります。
みんながみんな自炊をしてしまったら、外食チェーンや宅配サービスなどは会社として成り立ちません。
だからこそ、「一人暮らしの自炊は無駄」というイメージを植え付け、あなたを「良いお得意様」にしたい企業側の思惑があります。
企業が仕掛ける「甘い罠」
手間を省いてくれる宅配や外食といった「過剰なサービス」は、企業側にとっては利益を生む仕組みですが、利用者にとっては「抜け出せなくなる甘い罠」となる可能性があります。
手間を省くという、顧客満足度を上げる代わりにお金をもらうのが「サービス」というものです。
これは企業自体が悪いわけではありません。
しかしそのサービスを過剰に利用し続けると、その便利さに慣れて、自炊の「小さな手間」が「大きな苦痛」に感じるようになり、抜け出せなくなる。
つまり「良いサービスに依存」してしまう、ということです。
節約は筋肉と一緒
節約は筋肉と似たようなものです。
たとえば、普段から階段を使わずにエスカレーターばかりを利用すると。
最初は楽で便利ですが、ふと階段を上ろうとした時に、「こんなに疲れるものだったのか」と体力の低下に気づく。
運動しない体に運動はきついけど、普段から運動しているときつくないようなもの。
これと同じで、過剰なサービスを受け続けることは、あなたの感覚を麻痺させて、「自力で食費を管理する筋肉」を衰えさせてしまうようなものです。
良いサービスは依存する
ですので、【説明3】良いサービスは依存するとしては、
まず自炊をしないで得をするのは企業であり、あなたをお客さんにしたい思惑がある。
そのためのサービスだけれども、抜け出せなくなる「甘い罠」となり、依存してしまう。
そして依存すると「自炊が苦痛」に感じるようになってしまう、ということになります。
【説明4】楽を求めるは人間の「心理」
次に、なんで「甘い罠」に引っかかってしまうのかについて話していきます。
私たちが自炊を避けて「楽な方」へ流れるのは、人間の本能です。
自炊を避けてしまう心理
人は誰だって楽なほうを選択したくなる。わざわざめんどくさいことをしたくない。
この心理は「現状維持バイアス」や「損失回避バイアス」と呼ばれるものです。
これは、新しい手間をかけること(自炊)を避け、失敗するリスク(効果が低いムダ)を恐れているということ。
たとえば、投資で損失を恐れて底値で売却してしまう。限定セールで逃したら買えないと思って、いらないものを買ってしまう。こうした損失を恐れる気持ちです。
つまり自炊という手間と効果金額が釣り合わないという「自分の行動のムダ」。これを避けようとしています。
その気持ちが「めんどくさい」という一言にまとまっています。
こうした様々な心理に基づいて私たちは行動しています。
CMの内容
そしてこの「心理」を利用して外食や宅配サービスは誘導してきます。
テレビCMやウェブ広告を思い出してください。
手間のかかる料理の映像はほとんどなく、「疲れたあなたに、たった5分で完成!」「宅配でいいんじゃない?」「今なら2品目半額!」といったメッセージばかりです。
これらは「こっちなら上手くいく」、「お得で損をしない」といった「心理」を活用したメッセージだったりします。
選択を誘導されている
商品を買うとき、最終的には自分で選んでいるのですが、誘導されていることに変わりはありません。
良い物を進められてそれを買うっていう商売の基本みたいな話です。けれど、企業にとって情報を知らない人は「良いお得意様」になる。
なぜなら情報であなたの「食生活」を誘導しているから。
更に宣伝している内容が良いと思えば思うほど、逆の自炊に関しては「面倒くさいものだ」と無意識に思い込むようになります。
楽を求めるは人間の「心理」
ですので、【説明4】楽を求めるは人間の「心理」としては、
人には現状維持や損失回避といった本能から無駄を回避したいという心理がある
そして企業はそれを活用してCMなどで誘導する。
それは情報を知らない人ほど「良いお得意様」になる
こうしてより一層「心理的」にも、自炊から離れていきます
【結論】ひとりでも自炊は効果がある
結論としては、自炊はひとり分でも時給数千円分という十分な効果を出せます。
ただ、世の中の情報は企業にとって都合の良いものが多い。
ですので、企業の情報による操作から抜け出し、「自炊に対する意識」を根本から変えること。
それができれば、自炊は「面倒な作業」ではなく、「自分の将来の資産を守るための行為」になります。
そのために情報や体験で得られる「納得感」を得て「自炊に対する意識を変える」。
これが情報を知らず無意識に搾取されていた状態から抜け出す、搾取されない考え方です。
まとめ
今回のテーマ「一人分の食事は節約になるのか?」はいかがでしたか?
おひとり様は狙い目
- 単独世帯は多く、企業から見ても十分な市場
- ひとりだからこそのメリットも多数ある
- だからこそ自炊ではなく外食や宅配サービスへ誘導する情報が多数
自炊は時間の無駄ではない
- ハードルを高く見れば1時間だけど、工夫すれば10分程度で可能。
- 飲食店で材料費用である原価率は20~30%程度。
- 効果金額は時給300円は最低ラインで工夫すれば3,600円や7,800円になる。
企業が仕掛ける「甘い罠」
- まず自炊をしないで得をするのは企業であり、あなたをお客さんにしたい思惑がある。
- そのためのサービスだけれども、抜け出せなくなる「甘い罠」となり、依存してしまう。
- そして依存すると「自炊が苦痛」に感じるようになってしまう、ということになります。
楽を求めるは人間の「心理」
- 人には現状維持や損失回避といった本能から無駄を回避したいという心理がある
- そして企業はそれを活用してCMなどで誘導する。
- そしてそれは情報を知らない人ほど「良いお得意様」になる
こうした情報や体験で得られる「納得感」が「自炊に対する意識を変える」ためには必要になります。
自炊や節約は、我慢することではありません。
「本来、自分のお金だったものを取り戻す行為」です。
ぜひ今日から自炊を初めてみてください。
備考
このサイトが大切にしていること
「この世界は、生きづらいものだ」と思っていた過去があります。
でも今は、そう感じていたのは“思考の回路”が乱れていただけだったんだと気づきました。
このサイト「ゆるやめ」では機械保全士として培った現実重視の“視点”をベースに、脳科学や心理学の知識そして私自身の体験を交えて、我慢ではなく緩やかな仕組みで様々な余分なことをやめるヒントをお届けしています。
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